乗客は立ち入り禁止? 飛行機内の隠された場所「クルーレスト」を紹介

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ボーイング787の操縦席の裏にあるパイロット用のレストルーム/Roslan Rahman/AFP/Getty Images

ボーイング787の操縦席の裏にあるパイロット用のレストルーム/Roslan Rahman/AFP/Getty Images

(CNN) ワイドボディー機には、パイロットや客室乗務員が長時間のフライト中に休憩する「クルーレスト」と呼ばれる場所が複数ある。乗客はいかなる状況でも立ち入ることはできず、人目につかないよう隠されている。

位置は航空機によってさまざまだ。ボーイング787やエアバスA350などの新しい航空機では客室の上、胴体上部にある。古い航空機では貨物室内や客室内にある場合もある。

クルーレストは2種類ある。一つはパイロット用で、通常は操縦室の上にあり、2台の寝台とリクライニングシートが備えられている。もう一つは客室乗務員用で、通常は6台以上の寝台があり、機体後部の厨房(ちゅうぼう)設備の上にある。

カプセルホテルのよう

クルーレストの主な構造は規制当局によって決められている。寝台のサイズは198×76センチで、周囲に少なくとも1立方メートルの空間がなければならない。着替えや出入りのための共用スペースも必要で、少なくとも1.8立方メートルあることが求められる。

ボーイング777の客室乗務員用「クルーレスト」/Boeing
ボーイング777の客室乗務員用「クルーレスト」/Boeing

見た目は日本のカプセルホテルに少し似ている。窓がなく窮屈だが、居心地の良い寝場所で、電源コンセントとライトが付いている。酸素マスクやシートベルトサイン、機内通話装置など必要な安全装備もすべてそろっている。

ユナイテッド航空でボーイング787/777/767などに搭乗している客室乗務員のスザンナ・カーさんは「かなり快適だ」と話し、「パッド入りのマットレス、空気を循環させるための換気口、涼しくしたり暖かくしたりできる温度調節機能がある。通常は国際線のビジネスクラスで使用されているものと同じリネンも用意されている」と教えてくれた。

隠れた場所

クルーレストは、乗客がどこにいたとしてもあまり注意を引かないように設計されている。カーさんは「通りかかった乗客は、おそらくクローゼットだと思うだろう」と言う。

少なくとも最新の航空機では、クルーレストのドアを開けると、小さな踊り場とはしごがある。

カーさんによれば、「寝台は両側か片側が開いているので、はって入ることができる」。

小さな階段でキャビンとつながるエアバスA330の「クルーレスト」/Philippe Masclet/Master Films/Airbus
小さな階段でキャビンとつながるエアバスA330の「クルーレスト」/Philippe Masclet/Master Films/Airbus

長距離便の客室乗務員は通常、予定飛行時間の少なくとも10%をクルーレストで過ごす。

フィンエアーでエアバスA330/A350に搭乗する客室乗務員、カロリーナ・オーマンさんは「平均すると長距離便1回あたり1.5時間程度になると思う」と話す。ただしこれは航空会社や飛行時間によって異なり、休憩時間は最大数時間まで延長されることがある。

オーマンさんは「機内には昼食や休憩のためのプライベートな空間がないため、クルーレストでの時間は非常に重要で有益だ」と言い、「クルーレストでの時間は乗客の呼び掛けに対応したり、他の作業をしたりせずに休息を取り、足と心を休めている。この休憩の目的は、フライト中、つねに気を張って心構えを保ち、予期せぬことが起こったときにすぐに行動できるようにすることだ」と語った。

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